ケースに入ったバイオリン

バイオリンレッスンを始める前に揃えたい必須アイテム9選

「バイオリンを始めたい!」と思ったとき、多くの方が最初に悩むのが 「何を揃えればいいの?」という疑問です。

バイオリンは楽器本体だけでなく、弓、松脂、肩当てなど、 他の楽器と比べて必要なアイテムが多く、 初めての方には「何が必須で、何が後回しでいいのか」が分かりにくいものです。

さらに、バイオリンは数万円から数百万円まで価格帯が非常に幅広く、 「最初にどのレベルの楽器を買うべき?」という選択も悩ましいところ。

この記事では、バイオリンの講師たちが 「初心者が本当に必要なもの」を厳選してご紹介します。
予算の目安から失敗しない選び方まで、 これからバイオリンを始める方が知っておくべき情報を分かりやすくまとめました。

  • レッスンの初日に必要なものと、後から買い足せば良いものの区別
  • 各アイテムの相場と、安価なものと高価なものの違い
  • 自分の身長や体格に合ったサイズの選び方
  • 「安物買いの銭失い」にならないための具体的なチェックポイント

特に初心者の方は、インターネットの格安セットに飛びついてしまいがちですが、中には「演奏に耐えない」品質のものも混ざっています。プロの視点から、長く楽しく続けられるための道具選びを解説します。

バイオリンを始めるのに必要なもの【全体像】

バイオリンを始める際に必要なアイテムは、大きく分けて「演奏に直接使うもの」「練習環境を整えるもの」「楽器の状態を維持するもの」の3つのカテゴリーに分類されます。

  1. 演奏に直接使うもの(本体・弓・松脂・肩当て) これらがなければ、音を出すことすら困難です。
  2. 練習環境を整えるもの(譜面台・チューナー・メトロノーム) 正しい音程とリズムを身につけるために、独学でもレッスンでも必須となります。
  3. 楽器の状態を維持するもの(クロス・ミュート・ケース) バイオリンは繊細な木製品です。適切なお手入れが楽器の寿命を左右します。

これらをすべて最初から最高級品で揃える必要はありません。
まずは基本を抑え、上達に合わせてランクアップしていくのが理想的です。

【最重要】まず揃えるべき4つのアイテム

バイオリン本体(予算:3万円〜)

バイオリンは、裏板、表板、側板などを貼り合わせた木製の弦楽器です。
安価なものは合板(ベニヤ)で作られていますが、長く使うのであれば、削り出しの単板で作られたものを選びたいところです。

最低でも3万円、できれば5万円〜10万円程度の「エントリーモデル」が推奨されます。
数千円のモデルは調整が不十分で、音が出しにくいだけでなく、指を押さえる位置がズレていることもあるため注意が必要です。

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弓(多くは楽器セットに含まれる)

弓はバイオリンの音を作る「心臓部」とも言えます。
木製の「フェルナンブコ」や「ブラジルウッド」、最近では耐久性の高い「カーボン製」が主流です。

初心者セットにはあらかじめ付属していることが多いですが、弓毛(馬の尻尾の毛)がしっかり張られているか、竿が真っ直ぐかを確認する必要があります。

松脂(予算:500円〜3,000円)

弓毛にはそのままでは摩擦がありません。
松脂(ロジン)を毛に塗りつけることで、初めて弦を振動させることができます。

「夏用(硬め・サラサラ)」と「冬用(柔らかめ・しっとり)」がありますが、初心者はオールマイティに使える定番品(ベルナルデルやピラストロなど)を選ぶのが無難です。

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肩当て(予算:2,000円〜8,000円)

出典:Amazon

バイオリンを鎖骨と顎で挟んで保持するために、楽器の裏側に取り付ける補助具です。
これがあることで、無理な力を入れずに楽器を安定させることができます。

KUN(クン)やWolf(ウルフ)が世界的な定番です。
体型によって合う形が異なるため、可能であれば楽器店で試着することをお勧めします。

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私のおすすめは、少し金額が高いですがPediという肩当てです。
今まで8つほど肩当てを試してきましたが、Pediの肩当てが軽くて一番音の響きも良かったです。

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【必須級】練習に絶対必要なアイテム

「音は出るようになったけれど、正しい音がわからない」という状況を防ぐためのアイテムです。

チューナー(予算:1,000円〜5,000円)

バイオリンは弦の巻き具合を調整して音の高さを合わせる(チューニング)必要があります。
ピアノと違い、バイオリンは気温や湿度で頻繁に音がズレるため、演奏前のチューニングは必須です。

譜面台(予算:1,500円〜5,000円)

「机の上に譜面を置いて練習すればいい」と考える方も多いですが、これは厳禁です。
バイオリンは正しい姿勢が全てです。視線が下がると背中が丸まり、左手の可動域が狭まってしまいます。

持ち運びができる折りたたみ式のスチール製で十分ですが、自宅でじっくり練習するなら安定感のあるアルミ製や木製も検討の価値があります。

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メトロノーム(予算:2,000円〜)

リズム感を養うために不可欠です。
最近はスマートフォンのアプリでも代用可能ですが、レッスンの現場では操作がシンプルで音が聞き取りやすい専用機が好まれます。

チューナーとメトロノームが一体になった「チューナーメトロノーム」は、譜面台に置いて両方の機能を確認できるため、多くの初心者に選ばれています。

【あると便利】上達を加速させるアイテム

必須ではありませんが、持っておくと練習の質が上がり、楽器を大切に扱うことができます。

弱音器(ミュート)(予算:500円〜2,000円)

駒(こま)に装着することで、音量を抑える道具です。集合住宅や夜間の練習には欠かせません。

ゴム製は音色を柔らかくする効果があり、金属製(消音器)は劇的に音量を下げますが、楽器への重量負担が大きいため取り扱いには注意が必要です。

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お手入れセット(予算:1,000円〜3,000円)

演奏後のバイオリンには、松脂の粉や手の脂が付着します。
これを放置するとニスを傷め、音がこもる原因になります。

楽器本体を拭くクロスと、弦を拭くクロスの2枚を用意しましょう。
専用のクリーニング液(ポリッシュ)もありますが、基本的には乾拭きだけで十分です。

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予算別:初期投資の目安

バイオリンを始めるにあたって、トータルでいくらかかるのか。3つのプランを提示します。

項目最安・お試しプラン標準・推奨プラン本格・こだわりプラン
楽器本体一式約30,000円約70,000円約150,000円〜
アクセサリ類約5,000円約10,000円約20,000円
合計35,000円80,000円170,000円〜
  • 3.5万円プラン: まずは音が出るか試してみたい方向け。中古や安価なブランド品を活用します。
  • 8万円プラン: 最もおすすめのラインです。スズキ(Suzuki)やヤマハ(Yamaha)のエントリーモデルなら、数年間の練習にしっかり耐えてくれます。
  • 17万円プラン: ヨーロッパ製のハンドメイド楽器や、より音色の豊かな弓を選びたい方向けです。

バイオリン本体の選び方【超重要】

バイオリン選びで失敗しないための知識を整理します。

サイズの選び方(子供・大人)

バイオリンには「分数サイズ」という概念があります。

  • 大人(身長145cm以上): 「4/4サイズ(フルサイズ)」を使用します。
  • 子供: 身長に合わせて、1/16、1/10、1/8、1/4、1/2、3/4とサイズアップしていきます。

サイズが合っていないと、正しいフォームが身につかず、腱鞘炎などの原因にもなるため、必ず身長に適したサイズを選んでください。

価格帯別の違い

価格の差は主に「素材の質」と「職人の手間」に現れます。

  • 数万円: 工場での大量生産。木材が乾燥しきっていない場合があり、年月とともに歪みが出ることがあります。
  • 数十万円: 厳選された木材を使用し、職人が一本一本厚みを調整しています。深みのある音が特徴です。

セット品 vs 単品購入

初心者の場合、ケースや弓が全て揃った「アウトフィットセット」が圧倒的に便利です。
単品で購入すると、弓と本体の相性を判断するのが難しいため、最初の1本は信頼できるメーカーのセット品を選ぶのが無難です。

新品 vs 中古

  • 新品: 故障のリスクが低く、保証がついているのがメリットです。
  • 中古: 同じ予算でワンランク上の楽器が手に入る可能性がありますが、割れや剥がれ、弦の消耗などの状態判断が必要です。初心者が中古を買う場合は、必ず専門店の整備済み品を選びましょう。

レンタルという選択肢

「続くかどうかわからない」という不安がある場合、月額数千円からのレンタルサービスを利用するのも賢い選択です。特に子供はサイズがすぐに変わるため、レンタルでサイズアップに合わせていく家庭も多いです。

講師が教える失敗しない選び方のポイント

20年以上バイオリンに携わってきた経験から、特にお伝えしたいポイントは以下の3点です。

  1. 「通販の超格安品」は慎重に 1万円以下のバイオリンは、ペグ(糸巻き)が滑って調弦ができなかったり、駒の高さが適切でなかったりすることが非常に多いです。修理代の方が高くつくケースも少なくありません。
  2. 先生に相談する すでに習う教室が決まっているなら、先生に予算を伝えて選んでもらうのが一番確実です。先生は生徒が上達しやすい楽器を熟知しています。
  3. 「見た目」も大切にする バイオリンは美しい工芸品です。木目の出方やニスの色など、自分が「かっこいい」「可愛い」と思える楽器を選ぶことで、日々の練習のモチベーションが劇的に変わります。

よくある質問

Q: 左利きですが、左利き用のバイオリンが必要ですか? A: 基本的には右利き用(左手で指を押さえ、右手で弓を持つ)を使います。バイオリンは両方の手を高度に使うため、左利きの方が左手の指回りがスムーズで有利に働く場面も多いです。

Q: 独学で始めることは可能ですか? A: 物理的には可能ですが、バイオリンはフォームが独特で難しいため、最初の3ヶ月だけでもレッスンを受けることを強くお勧めします。変な癖がつくと、後から修正するのに何年もかかってしまいます。

Q: 弦はどのくらいの頻度で替えるべきですか? A: 毎日練習する場合、半年から1年に1回が目安です。切れていなくても、音が劣化したり表面が錆びてきたりしたら交換のタイミングです。

まとめ:バイオリンを始める初期費用と購入リスト

最後に、準備すべきものをリスト形式でまとめます。

  • バイオリン本体(サイズ確認済み)
  • ケース
  • 松脂
  • 肩当て
  • クリップチューナー
  • 譜面台
  • メトロノーム(アプリ可)
  • お手入れ用クロス

初期費用として5万円〜8万円ほどを見込んでおけば、安心してレッスンをスタートできる質の良い環境が整います。


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